「住む」
一軒家のリフォームのお仕事です。
部屋数がいっぱいあって、それぞれのお部屋のテーマカラーで、内装材をコーディネートします。今回、床はお施主さんが選んだので、私のお仕事は、壁紙と天井材を選ぶこと。
壁紙を選ぶ時、皆さんは、何をしますか?
「壁紙屋さんのショールームに行く」
当然、そうですよね。
その前に、ぜひ、イメージして欲しいことがあります。
どんな風に「住む」のか。
ちょっと大きく言うと、どんな気分で(どんな風に)生きるのか。
私は、お施主さんに、まずはその家でどんな暮らしがしたいのかをヒアリングします。
静かに趣味を楽しみたい?
趣味は何?
音楽は何を聞くの?
たくさん人が集まってきて楽しく暮らしたい?
集まってくる人はどんな人?
どんな料理が得意?
好きな色は?
好きなテイストは?
などなど、質問は延々あるのですが、これはたとえ家具一つ選ぶだけのお仕事でも、「住む」イメージがつかめるまで、お聞きします。そして、平面図に回答を書き込み、お施主さんと一緒に、夢を膨らませていくのです。お施主さんの表情は、どんどん輝いてきます。
持ち込む家具や電気製品の色も確認します。それらは、どこに配置するかも重要です。照明プランにも関わるからです。
照明のことは、かなりしつこく、お施主さんにお話します。照明は、すごい力を持っています。照明というか、光です。光の力。インテリアで、一番重要なのは光だと思います。勉強する場所、くつろぐ場所、眠る場所、本を読む場所、顔を洗う場所、お化粧をする場所etc… それらに合った光があります。「とりあえず明るければいい」は、全然良くありません。
壁紙と天井材を選ぶだけであっても、色んな要素が調和するかどうか、ちゃんとイメージしながら選ぶと、ショールームの膨大なサンプルの中であっても迷うこともありません。
さて、そうやって選んだ材は、先日プレゼンを終え、OKをいただけました。お施主さんは「すごく楽しみね。家が出来たら、ぜひ遊びに来てね。」と喜んでくれて、私も幸せでした。
お施主さんは、とりあえずで考えていた照明や洗面周り、キッチン設備についても、もう一度一つ一つ大切に選びなおすとも、話してくれました。それらのメーカーにも同行し、もっともっと「住む」イメージを一緒に実現させましょう、ということになりました。
ということで、大好きなインテリアや暮らしの本を読みなおして、空想中。
つまり、至福の時間です。